皆さん、腸重積という病気をご存知でしょうか。
腸重積は、腸の一部が別の部分にはまり込み、重なってしまう状態になる病気です。
あまり聞き慣れない病名だと思いますが、ロタウイルスワクチンの副作用として聞いたことがある方は多いのではないでしょうか!
そんな腸重積ですが、ロタウイルスの副作用でもなく、0歳7ヶ月のある日に突然息子が発症してしまいました。
あまり身近な病気ではないので、まさか自分の子がなるとは思っていませんでした。。
突然の息子の異変と治療、入院。
とにかく不安で仕方なかったけど、早く異変に気づいて小児科へ行ったことで、結果的に大事には至りませんでした。
今回は、この経験が他のママさんの参考になるのではないかと思い、自分の子育て記録も兼ねてこの記事にまとめたいと思います。
もしかしたら自分の子にも起こりうるかも…という気持ちで、参考として読んでいただけると幸いです!
- 赤ちゃんの病気の体験談を知りたい人
- 赤ちゃんの急な病気について知っておきたい人
- 低年齢の子育てママさん
- これから子育てをするプレママさん
この記事は筆者の体験記事であり、専門的な医療記事ではありません。
子どもの病気や症状は1人1人まったく状況が異なるため、参考としてお読みいただけますと幸いです。
気になることや心配なことがある場合は、お医者さんに直接ご確認ください。
腸重積とは?
まずはじめに、腸重積がどんな病気か簡単に説明します。
下記は、私が病院の先生から聞いた話やロタウイルスワクチンの副作用として資料に掲載されていた内容、ネット(病院などの医療系サイト)の情報をもとにまとめたものです。
腸重積(ちょうじゅうせき)は、腸の一部が他の部分に入り込むことで腸管が閉塞する状態を指します。
特に生後6ヶ月から2歳までの乳幼児に多く見られる病気ですが、まれに成人にも発生するそうです。
私の息子は生後7ヶ月で発生しました。
主な症状
腸重積の主な症状です。
下記の症状がある場合は、早めに受診することをおすすめします!
- 突然の激しい腹痛: 火がついたように泣き叫んだり落ち着いたりを繰り返し、痛みが波のように現れることが多いです。
- 嘔吐: 初めは内容物が胃からのものですが、重症化すると腸からの内容物を吐くことがあります。
- 血便: 「イチゴゼリー状便」と呼ばれる特徴的な血便が見られることがあります。
- 腹部のしこり: 腹部に触れると、腸が重なり合っている部分がしこりのように感じられることがあります。
原因
腸重積の正確な原因は不明だそうですが、風邪や胃腸炎などの感染症後に発症することが多いそうです。
とはいえ、うちの子は風邪も胃腸炎にもかかっておらず、本当に元気な状態で突然なったので一概には言えないのかなと思っています。
体験談:朝の様子と小児科受診まで
ここからは、実際に子どもに起こったことや私が行った行動などを時系列でまとめます。
リアルな体験談ですので、ぜひ参考にしてください!
朝起きて何かおかしい
うちの子は割と朝は機嫌がよく、寝起きもとても良い子です。
だからすぐに異変に気付けたということもありますが、その日は朝からあまり笑わず、珍しく不機嫌だな…という印象でした。
前日も体調は良く機嫌もいつも通り、夜中起きることもなく朝まで寝ていました。
朝はミルクも普通に200ml飲んだので、ただ機嫌が悪いだけかなと思い抱っこしたりしてあやしていました。
ただ、いつもと様子が違う点が2点。
- 泣き方がいつもと明らかに違う。手足もバタバタと暴れ、まさに火がついたような大声で泣く。
- しばらくするとすぐに落ち着き、ウトウトしたりぼーっとしたり。そしてまた泣いて落ち着いて…を繰り返す。
普段機嫌が悪くても泣いたり落ち着いたりを繰り返すことはほとんどないので、やっぱり何か変だなと感じていました。
泣いたりおさまったりを繰り返す、これって腸重積の症状に似てる気がする…。
腸重積については、ロタウイルスワクチンの副作用として説明されていたので、頭の片隅に記憶がありました。
特に「泣いたり落ち着いたりを繰り返す」というのが頭に残っており、今思うとこのちょっとした情報がわが子を救ったと思っています。
ただこの時は、嘔吐も血便も熱もなく、ただ機嫌が悪いだけのようにも見えました。
何か症状があるわけではなく泣いているだけなので、何で泣いているのかも分からずあやし続けるしかありませんでした。
主人とも「今日は珍しく機嫌が悪いねー」なんて言いながら、主人の仕事もいつも通り息子とお見送りしました。
その後も泣いたかと思ったら落ち着いたり、ウトウトしたりもしていたので「眠くて機嫌が悪いんだろうな~」くらいに思っていました。
ただ、急にくる大泣き、そして突然おさまる波が気になり、やっぱり何かがおかしいと感じるように。
ずっと「腸重積」が頭の中にあり、次第に「これはおかしい。腸重積の可能性が高い!」という気持ちが強くなってきました。
その後はすぐに小児科の受診予約を行い、早めに小児科に向かいました。
向かっている時も、泣いたり落ち着いたりを繰り返していました。
もし、ただグズってるだけだとしても、それならそれで良かったと思おう!
この時は母の勘でとにかく早く病院に行くべきだと判断しました。
小児科にて嘔吐&血便
小児科で朝からの様子や症状を先生に説明して、便もあまり出ていない状態だったのでまずは浣腸をして便を見てみることに。
浣腸をした後はすぐに便が出ましたが、血も一緒に混じった血便でした。
結構な量の血が出ていて、腸重積の可能性が高くなってきました。
また、先生との診察中に嘔吐も。
小児科の先生も「腸重積の可能性が高いので、もっと大きな病院を紹介します」とのこと。
泣いたり落ち着いたりと波のある機嫌に、血便、嘔吐…。
腸重積ではなかったとしても、何かしら息子の体に異変が起きていることは分かりました。
本当に不安な気持ちと、早めに病院に来る選択をして本当に良かったという気持ちが頭をぐるぐるとしていました…。
でも、まだ病名も分からないし治療もしていないので、不安が大きかったです。
総合病院の救急小児外来へ
小児科から紹介状をもらい、総合病院の救急小児外来へ。
自家用車がないので、タクシーで急いで向かいます。
病院について待合室で待っている間も、息子は痛みと戦っていました。
落ち着く時でも、疲れからかぐったりと眠っているような時間が増えていました。
心配だけど「ここは私がしっかりしないと!」という気持ちで、とにかく息子の様子を注視していました。
先生とのお話では、朝からの様子や何時頃どのようなことが起こったかなどを細かく確認されました。
不安な人は、スマホでも良いのでメモしておくと安心です!
- 何時頃から泣いたり落ち着いたりを繰り返したか
- 何時頃、どのくらいの量の食事をしたか(ミルクを飲んだか)
- 嘔吐は何時頃か
- 血便が出たのは何時頃か
- 前日の様子や異変がなかったか など
そこからはお腹のエコーを見たり、レントゲン撮影、血液検査などの各種検査を行いました。
朝一のミルクから飲まず食わずだったので、腕にはずっと点滴をされた状態になっています。
小さい体に点滴が繋がれて、見てるだけでもつらい…。
検査の結果、やはり腸重積と診断されました。
右上の腸管に別の腸がはまりこんでいるとのこと。
ただ、病院へ行く判断が早く発症して時間がまだそこまで経っていなかったことは不幸中の幸いでした。
発見が遅れ、長い時間腸がはまり込んだ状態になってしまうと、最悪の場合は腸が壊死する可能性もあるそうです。
早く病院に行って本当に良かった…!
やっぱり母の直感はすごいなって自分でも思ったよ。
何もなければそれが一番だから、少しでもおかしいと思ったら、すぐに病院へ行った方が安心だね。
そこからは、今後の治療の方針を先生から説明されました。
治療
先生からの説明はざっくりまとめると下記の内容でした。
- 治療方法は肛門から水圧をかけて重なった腸を戻していく方法
- 肛門から水圧をかける時にとても痛みが出るので、医療用麻薬で痛みを軽減する
- 何回もやると体に負担がかかって危険なので3回まで。
- この方法が成功しなければ手術の可能性もある
- 3回やっても戻らない場合は小児外科のある他病院へ転院する(この病院が小児外科がなかったため)
痛みを軽減するためなので仕方ないですが、赤ちゃんの体に医療用麻薬を使用されることはかなり抵抗がありました。
また、3回で整復しない場合は手術の可能性があることや他院に転院することなどもあり、とにかく早くこの方法で治って欲しいという気持ちが強かったです。
準備が整い次第、治療室へ運ばれるのですが、治療室の中にはもちろん私は入れません。
知らない病院の治療室へ息子1人で運ばれていく姿、そして親と離れ不安でいっぱいの息子が大泣きする声。
私も涙があふれてしまいました…。
治療室に入ってから、息子はずっと泣いてました。
痛みを軽減しているとはいえ、知らない大人に囲まれて処置をされているので怖かったのだと思います。
泣き声は治療室の外まで聞こえており、私も涙が止まりませんでした。
怖いよね、痛いよね…。
こんなに小さな体でつらい思いをさせてごめんねという気持ちでいっぱいの中、どうにか早く治療が終わることを願って過ごしていました。
大学病院へ転院
願いは届かず、3回の処置で腸の位置が正常に戻らず、もっと大きな大学病院へ転院することに。
先生から「これから転院手続きをして救急車で向かいます」と説明がありました。
治療室から出てきた息子は、泣き疲れて眠っていました。
転院手続きの間に会計を済ませ、しばらく待って救急車が到着!
ちなみに、東京都内の病院だったので、医療証を使ってこちらの総合病院での支払いは0円でした。
救急車で大学病院へ
救急車には先生も付き添ってくれました。
主人には逐一連絡をしていたので、仕事は早く切り上げ、すでに転院先の病院で待機しているとのこと。
救急車の中では息子の様子や症状などを確認され、治療に関しては先生が説明してくれたので同乗していただき助かりました。
救急車の中でも、変わらず痛くなったり落ち着いたりを繰り返しており、変わったことといえば落ち着いたタイミングはぐったりとして常に眠ってること。
朝からお腹が痛い中病院を回って、検査して、治療されて…疲れてるよね。
ぐったりしてるけど大丈夫かな…。
大学病院での治療
救急車が病院に到着してからは、すぐに検査等を行い、早急に治療に入ってくれました。
大学病院に到着して、すぐに主人とも合流。
ずっとひとりで息子の無事を祈っていたので、ほっとして急に疲れが出てきました。。
まだ治療は終わってなかったけど、主人の顔を見るといろんな気持ちが込み上げてきて、なんだか泣いてしまいそうになった…。
治療は基本的には総合病院と同じで空気圧で整復する方法を行うとのことでした。
ここでも、何度か空気圧を試しても戻らなければ、手術に切り替える可能性があることも説明されました。
その場合はお腹を切って、先生が手で腸の位置を戻すそうです。
腸の状態によっては腸を切断して人工物で腸管を接続することもあるそう。
どうにか空気圧で整復できますように…。
処置室と待合室が離れていたので、今回は息子の泣き声を聞くことはありませんでした。
今どのような状態なのか全く分からなかったのでソワソワしましたが、やはり息子の泣き声が聞こえないのは気持ち的に助かりました。
前の病院の処置室でずっと泣き声を聞いているのはかなりつらかった…!
無事に整復完了!
大学病院での処置で、無事に整復ができました!
手術までは至らず、お腹を切ることもなくて本当に良かったです。
長時間の移動・検査・治療で息子は疲れて眠ってました。
ただ、しっかりと腸が正常な位置に戻っていたので、痛みの波がくることもなくずっと安心して眠ってましたよ。
息子の寝顔を見て、私も安心して疲れがドッと押し寄せてきました。
早く異変に気づいて、とにかくすぐに小児科へ連れて行った自分を褒めてあげたい。
あの時の判断は間違ってなかった。
その後、今後の流れや入院についての説明などがありました。
今後の流れ
整復は完了しましたが、正常に排便がされ、離乳食を食べても問題ないかまで確認できるまで入院となります。
治療後の流れは下記の通りでした。
- 竹炭で黒く色の付いたシロップを飲ませる
- そのまま入院
- その後、黒いうんちが出て異常がないか確認(竹炭で黒くなった便が出れば腸が正常な証拠)
- 黒いうんちが出てミルクや離乳食を問題なく食べれるか確認
- 先生の診察を受けて問題がなければ退院
黒いうんちがすぐに出れば2〜3日で退院できるだろうとのことでした。
残念ながら付き添い用のベッドが足りず、入院中の付き添いはできませんでした。
私たちと離れて病室に連れて行かれる時、すごく大泣きしてたな…。
ひとりで心細かったよね。
朝一で小児科で診てもらい、すべて終わって病院を出る頃には夜の20時を回ってました。
怒涛の1日でしたが、息子が無事だったことが一番。
その日は、息子が生まれてから初めて、離れ離れで過ごした夜となりました。
入院生活
翌日から、着替えやオムツなどを持って面会へ。
面会は予約制で2時間と決まっていたので、前日に面会予約を入れて2時間だけ息子と過ごしました。
1日目の面会は、泣いていたのか目が腫れていていつもの元気がありませんでした。
ただ、私を見るとパッと顔を上げて近づいてくれたので、やっぱり心細くて寂しかったのだと思います。
まだ生まれて7ヶ月しか経っていない小さな体で、本当によく頑張ったね。
寂しかったよね…。
既に竹炭の黒いうんちはしっかり出たとのことで、あと数日問題なければすぐに退院できるとのことでした!
面会中はたくさんたくさんギューッとしたり抱っこをしてふれあいました。
ベビーベッドの柵を上げるだけで泣いてしまい、面会時間が終わって帰る時にはギャン泣き。
置いていかれると思ったんでしょうか…。
こっちもつらかったけど、時間が決まっているので仕方なくバイバイして帰宅。
2日目の面会では、少し慣れたのか表情も1日目に比べると明るくなっていました!
ちょうど離乳食のタイミングで面会に行けたので、離乳食をあげたり抱っこで病棟内をお散歩したり、息子も楽しんでくれていました。
翌日には退院できると看護師さんより説明があり、先生ともお話をして翌日の退院が決まりました!
3日目、退院手続きやお会計などを済ませ、無事に息子を連れて退院することに…!
3日間の入院、本当によく頑張りました。
家に帰ってからは、いつものベビーベッドとプーメリーに大興奮!
笑顔も見せてくれて、病院とは違ういつもの明るい表情になって安心しました。
その後は、2週間後に経過をみせに病院を受診しましたが異常もなく、毎日元気に過ごしています!
離乳食も毎日モリモリ食べて、しっかりと大きくなっていますよ♪
最後に
以上が、生後7ヶ月の息子が経験した腸重積の発症から退院までです。
この記事は、あくまで私の体験談で「こういうことがあったよ」という話なので、状況や赤ちゃんの状態によっては治療法や経過が全く異なる場合もあると思います。
ただ、こういう病気があること、少しでも「何か変」だと感じたらすぐに病院を受診することの大切さを知ってほしいと思い、記事として書きました。
やっぱり毎日子どもの顔を見ているお母さんの「何か変」は、自信を持って良いと思います。
ただの思い過ごしや勘違いで何もなければそれに越したことはありません。
もし何かあった時に「あの時早く病院に行っておけば」と一生後悔することのないように。。。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!